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天然ゴム(NR) |
合成天然(イソプレン)ゴム(IR) |
全般的な説明
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天然ゴム(NR)は、その名の通り天然の樹の樹液(乳液)から精製されています。またその成分は、化学的には高シスポリイソプレンですので、合成ゴムであるイソプレンゴム(IR)は、化学的に製造された合成天然ゴム(言い方は少しおかしいですが)とも言われています。
どちらも特徴は、当然似ています。比較して、イソプレンのほうが、価格、品質が安定していて、天然ゴムは、天然ゆえの物性のばらつき、ごみなどの異物混入、価格変動などが多少あります。最近では、そのあたりも改善されてきています。
これらのゴムは、弾性、耐磨耗性など機械的強度が大きくタイヤ、ベルト、ホース、靴底など様々な用途に利用されてはいますが、耐熱性、圧縮永久ひずみ、耐油性が悪いためシールパッキンなどの用途には、あまり利用されていません。 |
化学構造 |
ポリイソプレン |
ポリイソプレン |
主な特徴 |
いわゆるもっともゴムらしい特性をもったもの。耐摩耗性機械的性質がよい。 |
天然ゴムとほとんど同じ性質を持ち、安定している。 |
純ゴムの
性質
|
比重 |
0.92 |
0.92〜0.93 |
ムーニー粘度
ML1+4(100℃) |
90〜150 |
55〜90 |
原
料
ゴ
ム
の
物
理
的
性
質
及
び
特
性 |
可能なJIS
硬さ範囲 |
10〜100 |
20〜100 |
引張強さ
(kg/cu) |
30〜300 |
50〜200 |
伸び(%) |
1,000〜100 |
1,000〜100 |
反発弾性 |
◎ |
◎ |
引 裂 |
◎ |
○ |
耐摩耗性 |
◎ |
◎ |
耐屈曲亀裂性 |
◎ |
◎ |
耐熱性(℃)
(最高使用温度)
|
120 |
120 |
耐寒性(℃)
(硬化温度)
|
-50〜-70 |
-50〜-70 |
耐老化性 |
○ |
○ |
耐光性 |
○ |
○ |
耐オゾン性 |
× |
× |
耐炎性 |
× |
× |
電気絶縁性
(Ωp)
(体積固有抵抗) |
1010〜1015 |
1010〜1015 |
耐ガス透過性 |
○ |
○ |
耐放射線性 |
△〜○ |
△〜○ |
原
料
ゴ
ム
の
耐
油
・
耐
溶
剤
性
|
ガソリン・軽油 |
× |
× |
ベンゼン・トルエン |
× |
× |
トリクレン |
× |
× |
アルコール |
◎ |
◎ |
エーテル |
× |
× |
ケトン(MEK) |
△〜○ |
△〜○ |
酢酸エチル |
×〜△ |
×〜△ |
原
料
ゴ
ム
の
耐
酸 |
耐
ア
ル
カ
リ
性 |
|
水 |
◎ |
◎ |
有機酸 |
× |
× |
高濃度無機酸 |
× |
× |
低濃度無機酸 |
○ |
○ |
高濃度アルカリ |
○ |
○ |
低濃度アルカリ |
○ |
○ |
主な用途 |
大型自動車用タイヤ、産業用トラクタータイヤ、履物、ホース、ベルト、空気バネなど一般用および工業用品。 |
自動車、航空機用タイヤをはじめとして、天然ゴムの使われる所にはほとんど代用できる。 |